先週の休日に濱納豆を使って、麻婆豆腐を作ったんです。すると、今までに経験したことのない味付けに仕上がったんです。私はすっかり、濱納豆の魅力に染まってしまったようです。これは暫く、濱納豆料理が続くことになりそうです。
私が濱納豆のことを知ったのは、2023年のことでした。発酵マイスター養成講座で配布された教科書に掲載されているのを目にした事がきっかけです。講師の先生が色々とご説明してくださっている最中であるにも関わらず、どうしてもその正体を知りたかった私は、インターネットでこっそり検索したくらいです。検索結果に表示される画像を見て、一人テンション高く驚いていたことを今でも覚えています。
今回は、濱納豆について解説します。私が実際に調理した麻婆豆腐も紹介します。本当に美味しかったんです。そして、私に濱納豆の魅力を易しく丁寧に教えてくれた笑顔の素敵な業者さんも併せて紹介します。どうぞ、最後まで御覧ください。
濱納豆について詳しく知る
そもそも濱納豆とは、どのような食品なのでしょうか。ここでは、濱納豆の特徴や製法などについて解説します。
濱納豆の特徴
私達がスーパーなどでよく見かける糸引き納豆は、茶色い外見とネバネバ・独特な香りが特徴的ですよね。それに対して、濱納豆は黒褐色でポロポロとしている外見と味噌のような香りが特徴的です。ここであなたなら気づいたかもしれませんね。実はこの記事のトップ画像は、私が購入した濱納豆のパッケージです。何も知らずに見かけたら、黒い小粒の甘納豆のように見えてしまうかもしれません。
濱納豆の製法
糸引き納豆は、蒸した大豆に納豆菌を繁殖させる短期熟成型の製法です。それに対して濱納豆は、蒸した大豆に麹菌を繁殖させ、塩水に漬けて数ヶ月かけて乾燥・熟成させる長期熟成型の製法です。業者さんのお話によると、作業の機械化が難しく、今でも全て手作業で生産されているとのことでした。
濱納豆の呼称
大きく「糸引き納豆」と「塩辛納豆」という種類に区別され、インターネット上では以下の3つを見つけることが出来ました。
- 京都府にある大徳寺納豆 本家 磯田 さんの「大徳寺納豆」
- 静岡県にあるヤマヤ醤油有限会社 さんの「浜納豆」
- 愛知県にある國松本店 さんの「濱納豆」
私が購入したのは、國松本店 さんの「濱納豆」です。発酵サミットというイベントで購入しました。この記事の後半で解説しています。
濱納豆で麻婆豆腐を調理する
ここまで読んだあなたは、濱納豆について詳しく知ることが出来ました。次は、濱納豆を調理でどのように利用したのか?について解説します。豆板醤などの辛味成分を使わなくてよいため、辛味が苦手な方でも楽しめることを優先しました。
濱納豆で麻婆豆腐を調理しようと思った理由
今回は、豆鼓と豆板醤の代わりに濱納豆で下味を作ることに拘りました。なぜなら、濱納豆は長期熟成により大豆の旨味が引き出されている状態だからです。また、塩水に漬けて乾燥させているため塩を余計に追加する必要も無さそうだったからです。
普段の私なら、豆鼓と豆板醤で下味を作ります。しかし、「日本の伝統食品でもある濱納豆なら、日本人に馴染みのある仕上がりになるのではないか?」という考えもありました。だから、今回は濱納豆で下味を作ることに拘りました。
濱納豆で麻婆豆腐を作った時の材料
はじめに材料を紹介します。調理前の準備作業は、列「事前準備」に記しておきました。
材料 | 分量 | 単位 | 用途 | 事前準備 |
肉味噌 | 150 | g | 具材 | 豚ひき肉を炒めて酒・醤油・甜麺醤で味付け |
豆腐 | 1 | 丁 | 具材 | 食べやすい大きさにカット |
ニラ | 1 | 束 | 具材 | みじん切り |
にんにく | 1 | 欠片 | 下味 | みじん切り |
生姜 | 1 | 欠片 | 下味 | みじん切り |
濱納豆 | 2 | 大さじ | 下味 | みじん切り ※豆鼓の代わり |
ガラスープの素 | 1 | 小さじ | 汁 | - |
水 | 300 | ml | 汁 | - |
酒 | 1 | 大さじ | 汁 | - |
醤油 | 1 | 大さじ | 汁 | - |
白ネギ | 1 | 本 | 香り | みじん切り |
ごま油 | 1 | 小さじ | 仕上げ | - |
片栗粉 | 2 | 大さじ | 仕上げ | - |
濱納豆麻婆豆腐の手順1:下味を作る
鍋に油・にんにく・生姜を入れて加熱を開始します。色がついて香りが出てきたら、濱納豆を入れて炒めます。1分もしないうちに濱納豆の香りも出てくるので、次の手順に移ります。下の画像は、みじん切りにした濱納豆です。
濱納豆麻婆豆腐の手順2:汁を作る
水・ガラスープの素・酒・醤油を鍋に入れて加熱します。沸騰したら、次の手順に移ります。
濱納豆麻婆豆腐の手順3:具材を温める
弱火にしたら豆腐・ニラを鍋に入れます。グツグツと弱火で3分ほど煮ましょう。時間が経過したら、次の手順に移ります。
濱納豆麻婆豆腐の手順4:香りをつける
火を消してネギを入れます。入れたら、2、3回掻き混ぜてください。ネギを加熱しすぎると香りが飛んでしまいます。2、3回掻き混ぜたらOKとしてください。
濱納豆麻婆豆腐の手順5:仕上げる
同量の水と片栗粉を良く混ぜ、鍋に注ぎ入れて混ぜてください。そして、ごま油をかけてください。最後に、再加熱してボコボコ沸騰させてください。沸騰状態で30秒ほど経過したら火を止めます。皿に盛り付けて完成です。下の画像は、盛り付けた後の画像です。
濱納豆を使ったその他の調理事例
ここまで読んだあなたは、濱納豆を利用した麻婆豆腐の調理手順について詳しく知ることが出来ました。濱納豆は、長期熟成による大豆の旨味と塩味が特徴的な食品です。この点を踏まえ、その他の調理事例についても紹介しておきます。
麻婆茄子
「麻婆豆腐がこれだけ美味いから麻婆茄子も絶対美味いはず!」と考えるのは、私だけではないはずです。後日、茄子がお手頃価格で販売されていたので購入してきました。
下味や仕上げは麻婆豆腐と同じ要領で調理しました。具材は、豆腐の代わりに茄子を使いました。ついでに余っていた玉ねぎと人参も入れました。野菜と濱納豆の旨味がよく絡み合って、本当に美味しかったです。下の画像は、盛り付け後の画像です。
回鍋肉
麻婆豆腐・麻婆茄子が美味いなら、回鍋肉も美味いはずです。キャベツ・ピーマン・ネギなどの野菜と濱納豆の旨味が絡み合うはずです。今度ためしてみようと思っています。
鶏の唐揚げ
濱納豆には塩味も含まれています。私は唐揚げの下味によく醤油を使うのですが、大豆の旨味と塩味という点で醤油と濱納豆は似ています。だから、醤油の代わりに濱納豆を利用したら、醤油とは違った仕上がりになると思うのです。
濱納豆を購入させて頂いた業者さん
ここまで読んだあなたは、濱納豆を麻婆豆腐以外の調理でも利用するイメージが出来ていることでしょう。「そんなに美味しいなら今度作ってみようかな?」と興味が出てきた状況ではないでしょうか。ここでは、私が濱納豆を購入した業者さんについて紹介します。
濱納豆との出会いは全国発酵食品サミットinえな
2023年11月に岐阜県恵那市で「第13回 全国発酵食品サミット」が開催されました。このイベントで私は濱納豆に出会いました。以下は、全国発酵食品サミットを訪問した時の様子について解説している記事のURLです。
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行ってよかった!愛知県と岐阜県で見つけた珍しい発酵食品
続きを見る
濱納豆を販売していた國松本店さん
屋外の販売・飲食エリアを歩いていたら、たまたま「濱納豆」の文字が見えました。愛知県豊橋市から岐阜県恵那市まで移動されて出店されていたようで、濱納豆は今でも全て手作業で生産されているという貴重なお話まで教えて頂きました。
以下は、国松本店さんの公式サイトとInstagramのURLです。公式サイトでは、通販の案内もされていますね。
https://www.instagram.com/hama710jp/
濱納豆の旨味を利用した麻婆豆腐のまとめ
最後にまとめです。
- 濱納豆は黒褐色でポロポロとしている外見と味噌のような香りが特徴的
- 濱納豆は蒸した大豆と麹菌で長期熟成させた発酵食品
- 濱納豆で作る麻婆豆腐は絶品
それでは、また次の記事でお会いしましょう。ありがとうございました!
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